世界最大の動物「シロナガスクジラ」の絶滅危惧

地球上で最も大きい動物をご存知ですか？ それはシロナガスクジラです。

体長約24メートルにもなるシロナガスクジラは、その巨大な体格から「大王クジラ」とも呼ばれています。 体重は約160トンで、 現存する動物はもちろん、歴史上存在した動物の中でも最も重いと言われています。 シロナガスクジラは、その巨大な体格にもかかわらず、 とても小さなオキアミを食べています。 大きな体なので、1日に約3,500kgのオキアミを食べるそうです。

シロナガスクジラは現在、国際自然保護連合（IUCN）の絶滅危惧種リストRed Listに絶滅危惧種（EN）として登録されています。 世界中に約5,000頭から15,000頭が生息していると推定されています。

絶滅危惧種が絶滅の危機に瀕している理由を調べてみると、人間の違法な捕獲は必ずと言っていいほど挙げられます。 無秩序な狩猟によって個体数が激減しているのです。 シロナガスクジラの場合、あまりにも大きいため、まさか狩猟の対象になるなんて… と思うかもしれませんが、人間は良い意味でも悪い意味でもできないことはありません。 海上輸送手段の発展と狩猟技術の進化が進んだ20世紀、 多くのシロナガスクジラが乱獲され、絶滅の危機に瀕したのです。 動物や環境保護について無知だった1930年代には、毎年3万頭の大王クジラが 捕獲されていたそうです。

シロナガスクジラは、上の生息地マップに示されているように、ほとんどすべての海に生息しています。 そのため、シロナガスクジラの個体保護には国際的な協力が不可欠です。 前述のように、シロナガスクジラは乱獲によって絶滅の危機に 瀕しましたが、このような違法な捕獲を防ぐために国際捕鯨委員会が保護に乗り出したことで、現在では個体数は幸いなことに増加傾向にあります。

捕鯨は法律や規制で阻止できますが、さらに大きな問題は人間の力では阻止できない海洋汚染です。 シロナガスクジラの生息地が 全海域であることから、海洋生態系を保護することが、今後のシロナガスクジラの個体数保護において最も重要となります。 現在、シロナガスクジラをはじめとする海洋生物を守るために保護されている海の面積は約40万平方キロメートルに達しています。 非常に広い面積ですが、広大な海の約9分の1程度です。

巨大な体のさまざまなクジラは、炭素を吸収する機能も持っています。 巨大な自然の炭素吸収装置のようなものです。 地球上で最も大きい大王クジラ「シロナガスクジラ」も、膨大な量の炭素を吸収することができ、海洋生態系に非常にプラスの影響を与えています。 今後もシロナガスクジラが海洋生態系を守り続けてくれることを願っています。