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- #絶滅の危機
- #トナカイの生息地減少
作成: 2024-02-02
作成: 2024-02-02 17:27
IUCN
クリスマスにサンタのそりを引くルドルフで有名な動物、それはトナカイですが、トナカイは国際自然保護連合が指定した絶滅危惧種だそうです。
国際自然保護連合が作成した絶滅危惧種のリストであるレッドリストに、危急種(VU)に指定されているトナカイは、寒い北部に生息する動物です。主にカナダ、フィンランド、グリーンランド、ノルウェーなどの北米地域や北ヨーロッパ地域に生息するルドルフは、生息地の減少により絶滅の危機に瀕している動物です。
IUCN
気候変動によりトナカイの生息地が暖かくなると、まずトナカイは適応できません。トナカイは寒い地域に住む動物なので、寒い環境でも体温を奪われないように、長年の進化を経てきました。保温のために毛で覆われた鼻先と、綿毛がびっしり生えた毛皮、そして体温の損失を防ぐ小さな耳など、トナカイの体は完全に寒い地域に適応できるよう設計されています。ところが、気候変動によってトナカイの生息地が急に暖かくなってしまうと、トナカイは暑さで命を落とす可能性もあります。トナカイは体内に汗腺がほとんどないため、暑さに弱いです。また、気温上昇によりトナカイの生息地を訪れた蚊にさらされると、あらゆる病気にかかるリスクもあります。実際に、スウェーデン北部のラップランドはマイナス50度に達する厳しい寒さの地域でしたが、気温がマイナス20度まで上昇し、ラップランドのトナカイの個体数は半分以下に減少しました。トナカイが生息する極地は、そうでない地域よりも気温上昇が大きくなると言われています。
WWF Russia, © Dmitry Boldyrev
トナカイの生息地が暖かくなると、トナカイ自身が耐え難いだけでなく、トナカイが餌を見つけるのも難しくなります。トナカイは寒い地域で育つコケなどの植物を食べて暮らしていますが、気温の上昇により生息地の餌が手に入りにくくなりました。トナカイは雪の中に埋まっているコケは簡単に食べることができますが、雪ではなく雨が降ると状況が変わります。雨が降ると地面が凍るため、コケを食べることができなくなるのです。食べられる餌を探すために、トナカイはひどい場合は100kmも移動すると言われています。このように遠くまで移動しても餌が見つからなければ、トナカイは餓死してしまいます。2019年には、ノルウェー領のスヴァールバル諸島で約200頭のトナカイが集団で餓死したこともあります。
IUCN
トナカイの生息地は、人間の開発によっても減少しています。トナカイが生息する森林が伐開されることで、人間が住む場所は広がりましたが、トナカイが生きていく場所は狭くなりました。さらに、トナカイを狩ることも多いそうです。トナカイ肉やトナカイの角を狙って、違法にトナカイを狩るのです。密猟者たちがトナカイが絶滅危惧種であることを自覚し、違法な捕獲を止めてくれればと思います。
IUCN
トナカイの絶滅の危機を回避するため、多くの環境団体が様々な努力をしています。ファーストネーションズは、トナカイに関する研究を行い、親トナカイと子トナカイを保護する取り組みを行い、その結果、トナカイの個体数が増加したそうです。WWFも、トナカイの絶滅の危機について知らせ、募金活動を通じて、トナカイの保護に尽力しています。深刻化する気候変動により、これ以上動物たちが住む場所を失わないことを願っています。
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