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- #気候変動
- #絶滅危惧種
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- #ウミガメ
- #海洋ゴミ
作成: 2024-01-19
作成: 2024-01-19 16:52
5月23日は、世界亀の日だそうです。アメリカの亀保護団体(American Tortoise Rescue)が2000年に制定した日なのですが、彼らが世界亀の日を制定したのは、亀の絶滅を防ぐためだったのです。中でも特に、ウミガメは深刻な絶滅の危機に瀕しているそうです。
IUCN
国際自然保護連合は、レッドリストを通じて絶滅危惧種を管理し、絶滅の危険度に応じてランク付けしています。ウミガメは、その中でも危急(EN)に指定されています。危急の絶滅危惧種は、近い将来に絶滅する可能性が高いとされています。
ウミガメの個体数は減少の一途をたどっています。ウミガメが絶滅の危機に瀕している理由は、やはり気候変動にあるのですが、ウミガメは陸に上がって海岸で産卵します。人間が海岸地域を開発する過程で、ウミガメが産卵できる場所が減ってしまったことも、その理由の一つです。
ウミガメは、卵が埋められている砂の温度によって性別が決まるという、不思議な動物です。ところが、地球の気温が上昇したことで砂の温度も上昇し、その結果、メスの子ガメが圧倒的に多くなるという、深刻な性比の不均衡問題も発生しました。性比が不均衡になると、繁殖がうまくいかなくなり、ウミガメの個体数がさらに減少する可能性があります。
Greenpeace
海洋ゴミに関する記事を見ていると、ウミガメが少なくない頻度で登場しますが、ウミガメは海洋ゴミの被害を受ける代表的な生物の一つだそうです。ウミガメは、においで餌を認識するのですが、海を漂うビニール袋などから微生物が繁殖し、ウミガメはその微生物のにおいを嗅いで、それが餌だと勘違いしてしまうのです。韓国でウミガメ58頭を対象に解剖した結果、そのうち20%が海洋ゴミを食べて死んでいたことが判明したそうです。
タイマイ(Hawksbill Turtle), IUCN
もともと気候変動によって危険にさらされているウミガメですが、そんなウミガメを乱獲する人も多くいます。ウミガメを捕まえ、ステーキやスープにしたり、さらには卵まで食用として販売されています。アカウミガメの場合、美しい模様の甲羅で装飾品を作ったり、革でカバンや靴を作ったりすることもあるそうです。このように、人間によって乱獲されたアカウミガメは、IUCNのレッドリストで絶滅危惧種の中でも最も深刻な危機に瀕した種である、絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。早い段階で深刻な絶滅の危機に陥るということです。
IUCN
ウミガメは、海洋生態系において非常に重要な役割を担っています。海草を食べることで、海中の二酸化炭素を調節する役割を担っているのですが、ウミガメの二酸化炭素調節能力は、森林よりも優れているという主張もあります。そんなウミガメが絶滅してしまうと、海洋生態系も大きな危機に陥ることでしょう。
ウミガメと海を守るため、国際自然保護連合と『絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)』は協力して、すべてのウミガメ種を絶滅危惧種に指定し、これにより関係国はウミガメを保護しています。ウミガメを守るためには、今後もさらに多くの努力が必要そうです。
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