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- #絶滅危惧種
- #手で歩く魚
- #ハンドフィッシュ保全プロジェクト
- #ハンドフィッシュ
作成: 2024-01-19
作成: 2024-01-19 11:00
手で地面をついて歩く魚をご存知ですか?
IUCN
まるで腕が生えているようなこの魚は、レッドハンドフィッシュです。2018年にオーストラリアで発見された希少種で、国際自然保護連合に報告されている個体数は約100匹ほどだそうです。レッドハンドフィッシュは、オーストラリア南部のタスマニア島に生息していると言われています。
スポットハンドフィッシュ(Spotted Handfish)、IUCN
手を持つ魚は、レッドハンドフィッシュだけではないそうです。2021年には22年ぶりにピンクハンドフィッシュが発見されたり、他にまだまだ、まだらハンドフィッシュやジーベルハンドフィッシュなどもいるそうです。
ハンドフィッシュの珍しい外見から、ペットとして飼いたいという人が増えたことで、違法にハンドフィッシュを捕獲する人も増えました。中には、ハンドフィッシュの卵を採取する人も現れたそうです。ハンドフィッシュは、全て深刻な絶滅の危機に瀕している絶滅危惧種です。
レッドハンドフィッシュとまだらハンドフィッシュ、ジーベルハンドフィッシュは、全て絶滅危惧種IB類(CR)に分類され、国際自然保護連合のレッドリストに掲載されており、ピンクハンドフィッシュは絶滅危惧種IA類(EN)に分類されています。
レッドハンドフィッシュ(Red Handfish)、IUCN
レッドハンドフィッシュは、気候変動による水温の変化や水質汚染によって絶滅危惧種になったと考えられています。都市の汚染された水が海に流れ込むことで、生息地が破壊されているのです。レッドハンドフィッシュは、繁殖率が非常に低いため、個体数を自然に維持することが難しいと言われています。
そこで、タスマニア大学海洋・南極研究機関(IMAS)のチームは、レッドハンドフィッシュの人工孵化を試み、その結果、21匹のレッドハンドフィッシュが誕生しました。ハンドフィッシュは、個体数が非常に少ない上に、極度の絶滅の危機に瀕しているため、保護しようとする人々の努力も様々です。
ハンドフィッシュ保全プロジェクト(Handfish Conservation Project)ウェブページキャプチャ
ハンドフィッシュ保護プロジェクトでは、レッドハンドフィッシュを始め、様々な種類のハンドフィッシュの保護活動を行っています。
ハンドフィッシュ保全プロジェクト(Handfish Conservation Project)ウェブページキャプチャ
その中でも目を引くのが、ハンドフィッシュに名前を付けるプロジェクトでした。100匹もいないレッドハンドフィッシュに、支援者が1,000ドルを寄付し、名前を付けるこのプロジェクトは、実際にレッドハンドフィッシュをペットとして飼うことはできませんが、名前を付けることで、レッドハンドフィッシュへの関心と愛情を表す良い機会となります。支援者の寄付金は、レッドハンドフィッシュの保護やモニタリングなど、レッドハンドフィッシュ保護研究に充てられるそうです。まだ名前の付いていないハンドフィッシュも多いので、興味のある方は、ハンドフィッシュに名前を付けてみてはいかがでしょうか?
ジーベルズハンドフィッシュ(Ziebell's Handfish)、IUCN
ジーベルハンドフィッシュは、10年以上発見されておらず、絶滅が懸念されているそうです。ハンドフィッシュ保護プロジェクトでは、ジーベルハンドフィッシュに関する情報提供も求めています。その他にも、ハンドフィッシュの生息地の保護や研究、個体数モニタリングなど、ハンドフィッシュの絶滅を防ぐための努力が続けられています。多くの研究者の努力と人々の関心によって、これからも長くハンドフィッシュを見ることができれば幸いです。
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