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作成: 2024-01-29
作成: 2024-01-29 11:19
Nat Geo WILD YouTubeチャンネル「Hooded Seal | World's Weirdest」動画キャプチャ
普通のゴマフアザラシのように見えるこの動物。雪原を素早く這い回っていたかと思うと、突然止まり、頭を膨らませ始めます。鼻のあたりから赤い袋を出し、頭を激しく振ります。映画に出てくる怪物を見ているかのような信じられない行動。実はこの行動は、オスにのみ見られる求愛行動だと言われています。フードシール(ホッキョクアザラシの一種)の赤い鼻の袋は、その大きさがサッカーボールの2倍まで大きくなると言われています。
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この神秘的な動物の名前は、フードシール(ホッキョクアザラシの一種)です。まるで人が着る服のように見える、まだら模様の毛皮で覆われた全身が特徴です。フードシールは、国際自然保護連合によって絶滅危惧種に指定されています。個体数は現在約34万頭と推定されており、他の絶滅危惧種に比べて少ないわけではありませんが、絶滅危惧種軽度懸念(VU)に分類されており、今後数か月または数年で高い絶滅の危険にさらされる可能性があります。
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グリーンランド周辺、カナダ、ノルウェーなどに生息しているフードシールは、違法な捕獲によって絶滅の危機に瀕しました。フードシールが違法捕獲の問題となったのは、1970年代からです。冬の衣服を連想させるような外見のためか、フードシールは毛皮を得るために人々から頻繁に狩猟されていました。特に生後1年未満の子どもフードシールは、青灰色の毛皮を持って生まれてくるのですが、この外見的な特徴から「ブルーバック」と呼ばれていました。人々は、このブルーバックの毛皮でコートを作るために、子どもフードシールを乱獲しました。結局、1972年にMMPA(海洋哺乳類保護法)はフードシールを保護し始めましたが、その後も違法な捕獲は続きました。続いて1983年にEUの前身である欧州経済共同体(EEC)がブルーバックの輸入を禁止し、1987年にカナダがフードシールの商業捕獲を禁止しました。
このような様々な努力によって、フードシールは個体数を維持することができましたが、様々な規制にもかかわらず、フードシールは依然として絶滅危惧種に分類されています。イカやタコ、エビなどを捕食するフードシールは、漁業の邪魔になるという理由で、漁師たちから殺処分を求められることもありました。フードシールはすでに漁業で使用されている網にかかって死んでいます。
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フードシールが鼻の袋を膨らませるYouTube動画には、多くのコメントが寄せられました。「面白い」「笑える」という反応が大半でしたが、人々がフードシールの鼻の袋に関心を寄せるように、フードシールを含む様々な動物に対する違法な捕獲問題にも関心を寄せていただけたらと思います。
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