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作成: 2024-02-01
作成: 2024-02-01 10:38
San Diego Zoo Wildlife Alliance Animals & Plants
皆さん、ビンツーロンという動物をご存知ですか?クマにも、ネコにも、サルにも似たビンツーロンは、クマネコとも呼ばれる動物です。顔はクマに似ていますが、学術的な分類上ではジャコウネコ科に属するそうです。森でミミズやトカゲなどの動物を捕食することもありますが、ビンツーロンが最も好むのはイチジクだそうです。ビンツーロンには、1つの不思議な特徴があります。それは、尻尾から香ばしいバターポップコーンの香りがすることです。この香りは、ビンツーロンが合図を送るために使う香りで、実はビンツーロンの尿から発せられる香りなのです。人間がバターポップコーンと似た香りだと感じるだけでなく、科学的にバターポップコーンから発生する化学物質と同じ物質が、ビンツーロンの尿からも検出されるというから驚きですね。
By Greg Hume - 自作, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=60835976
クマのぬいぐるみのような可愛い外見から、ビンツーロンを飼いたいと思う人も多いそうですが、実はビンツーロンは絶滅危惧種に指定されているのです。
国際自然保護連合によって、危急種(VU)に指定されているビンツーロンは、現在も個体数が減少を続けており、今後数年で深刻な絶滅の危機に瀕する可能性が高いとされています。
神秘的な動物ビンツーロンの存在が知られるようになると、ビンツーロンを飼いたいと思う人が増え、それに伴い、ビンツーロンを違法に捕獲する人も増えました。その結果、近年30年間で、ビンツーロンの約30%が減少したと言われています。他のジャコウネコ類と同様に、ビンツーロンは、リュウワックコーヒーの生産にも使われています。高額で販売されるリュウワックコーヒーを生産して経済的な利益を得ようとする人々によって、ビンツーロンは狩猟の対象となっています。さらに、ビンツーロンの毛皮や肉、骨などを取引するための違法な捕獲も続いているそうです。
IUCN
直接的な捕獲以外にも、ビンツーロンは人間の間接的な影響によって絶滅の危機に瀕しています。体長が最大で1m近くに達し、尻尾の長さだけで70cmを超えるビンツーロンですが、まるでサルのように高い木の上で主に生息し、バランス感覚を持って枝を踏みながら移動する動物です。ビンツーロンが移動する木々が、人間の開発によって多く失われ、ビンツーロンは脅威にさらされていると言われています。バングラデシュ、インドネシア、マレーシアなどの東南アジア地域の熱帯雨林や深い山の中で生息しているビンツーロンは、生息地周辺の熱帯雨林が破壊されることで生息地を失い、絶滅危惧種になってしまいました。
https://pia.gov.ph/news/2023/10/23/puerto-princesa-city-govt-to-manage-cleopatras-needle, Photo courtesy of City Information Department of Puerto Princesa
ビンツーロンの絶滅の危機を回避するために、フィリピンのパラワン島では、4万ヘクタール以上の森林を確保し、ビンツーロンだけでなく、様々な野生動植物の保護に努めています。Cleopatra’s Needle Critical Habitat(CNCH)と呼ばれるこの生息地は、野生動物だけでなく、地域の先住民にとっても役立っているそうです。
ABConservation公式インスタグラムキャプチャ
NGOのABConservationでは、ビンツーロン保護のための募金活動を行っており、毎年5月の第2土曜日をビンツーロンの日と定め、保護キャンペーンを実施しています。今後、より多くの環境保護団体の関心によって、神秘的な動物ビンツーロンを守り抜くことができるといいですね。
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