主題
- #トラ
- #野生トラの個体数減少
- #トラの絶滅危惧
- #国際トラの日
- #トラの個体数保全活動
作成: 2024-01-16
作成: 2024-01-16 16:19
動物園でよく見かけるトラ。私たちにとってなじみ深い動物のトラが、絶滅危惧種であることをご存知ですか?
IUCN
トラは、国際自然保護連合(IUCN)が発表したレッドリストで、絶滅危惧種(EN)に指定されています。動物園で簡単に会うことができるため、絶滅危惧種とは考えにくい動物ですが、野生で生息するトラの個体数は減少しているそうです。
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上の写真で赤く表示されている部分が、トラが絶滅した地域です。すでに朝鮮半島では絶滅しており、中国やインドの一部地域でも、野生のトラは存在しないと報告されています。現在、世界中で約4,000頭のトラが野生に生息しているとのことですが、「4,000頭も生きているのに絶滅危惧種なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、100年前にはなんと約10万頭のトラが生息していたそうです。つまり、わずか1世紀でトラの個体数が約96%も減少したということです。
トラの個体数がこのように急激に減少した背景には、私たち人間の影響が大きくあります。昔、東アジア地域ではトラの骨や皮を使って薬を作っていましたが、薬を得るためにトラを乱獲したことで、トラの個体数が減少したのです。絶滅危惧種という概念が存在しなかった過去には、このように動物を乱獲することが多かったのです。
また、生息地の破壊もトラの個体数に大きな影響を与えました。トラは主に森林や草原など、広い範囲を歩き回って生息しますが、人間がその領域を開発してしまったことで、トラは住む場所を失い、大きな打撃を受けてしまいました。
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勇猛で強そうに見える顔立ちからか、『くまのプーさん』、『ジャングルブック』など、有名なアニメーションでキャラクターとして頻繁に登場するトラ。もしかしたら、私たちは『本当の野生のトラ』ではなく、『キャラクターとしてのトラ』にしか関心がなかったのではないでしょうか?人間はトラに対して負った借りを返すために、どんな努力をしているのでしょうか?
国際社会では、絶滅の危機に瀕しているトラを守るために、様々な努力をしています。国際自然保護連合(IUCN)は、1973年に『絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)』を締結しました。トラは、この条約によって捕獲と取引が禁止されている動物です。
また、世界自然保護基金(WWF)は、2010年にインド政府と協力して、「2022年までに、トラを2倍に」というスローガンを掲げ、2022年までに世界中のトラの個体数を2倍にするための『TX2』キャンペーンを実施しました。その結果、2010年には約3,200頭だったトラの個体数は、2023年現在約4,000頭に増加しました。
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このように、様々な団体がトラの個体数保全のために尽力しているおかげで、トラの個体数は10年前と比べて増加しました。しかし、まだ確実な増加傾向にあるとは言えず、安心するにはまだ早いです。いつまでも勇猛で強そうに見えるトラですが、人間の無知と欲によって絶滅の危機に瀕していることから、トラに対する人間の継続的な関心が求められます。
毎年7月29日は『国際トラの日』です。1年のうち、1日だけでも絶滅危惧種トラに関心を向けてみてはいかがでしょうか?
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