言語を選択
durumis AIが要約した文章
- 南極の氷河が急速に減少しており、2023年には冬に雨が降るなど、深刻な変化が見られます。
- 南極の氷河減少は、海面上昇と海流循環の問題を引き起こし、皇帝ペンギンなど南極の生物にも被害を与えています。
- 国際社会は、南極海保護区の指定を通じて、南極の生態系の保護に積極的に取り組む必要があります。
「気候危機」という言葉は、通常、残り少ない氷河に必死にしがみついているホッキョクグマの姿を思い浮かべさせます。 北極の氷河が急速に溶けていることは、私たち全員が知っています。しかし、危険なのは北極だけではありません。南極の氷河も 減少しています。
NASA
約2億5千万年前に形成された南極の氷河は、1980年代から急激に減少し始めました。産業革命以降、地球の平均気温が 上昇したことで、永遠に凍り付いていると思われていた南極でさえ溶け始めてしまったのです。21世紀に入ってからは、南極の氷河減少速度がさらに加速し、 専門家は、1990年代と比べて現在の南極の氷河減少速度は約3倍速くなっていると指摘しています。
NSIDC
南極の氷河は、1年間を通して季節によって増減を繰り返します。しかし、アメリカ国立海洋大気庁の傘下機関であるNSIDC(National Snow and Ice Data Center)が公開したグラフからわかるように、1981~2010年の平均面積よりも2022年の平均 面積が小さく、2022年よりも2023年の南極の氷河の平均面積が小さいのです。このように南極の氷河がどんどん減少していくと、南極周辺の 海面上昇だけでなく、地球全体で海面が上昇し、一部地域が水没する被害が発生する可能性があります。また、塩分がほとんどない 極地の氷河が溶けると、地球全体の海流循環が円滑に進まなくなる問題が発生する可能性もあるとのことです。
greenpeace
このように南極の氷河が減少すると、最初に被害を受けるのは南極に住む生物たちです。中でも南極の代表的な動物である皇帝ペンギンは、
南極の氷河減少により、ヒナペンギン約1万羽が死んでしまったこともありました。氷河が溶け出して、ペンギンの生息地が
減少しただけでなく、ヒナペンギンが海で泳ぐために不可欠な防水の羽根が完全に生える前に氷河が溶けてしまったため、海で泳ぐのが
難しくなったことが原因だったようです。
南極で降った雪からマイクロプラスチックが発見されたこともありました。ニュージーランドのカンタベリー大学の研究チームは、南極の19地域でマイクロ プラスチック片を発見したと発表しました。マイクロプラスチックは南極から6,000km離れた地域からも飛来する可能性があると指摘しています。白い 雪と氷河は、ほとんどの太陽光を反射することができますが、暗い色のマイクロプラスチックが雪に混ざると、太陽光の反射率が低下し、氷河が 溶ける速度が速くなるという問題点もあります。
pixabay
さらに、今では南極に雪ではなく雨が降る現象も目撃されました。2023年6~7月、南極のある科学基地では、雪ではなく
雨が何度も降ったという報告がありました。南極は当時冬にあたり、雪嵐が吹き荒れる時期であるにもかかわらず雨が降ったという事実は
衝撃的です。
このような南極の異変に対し、国際環境保護団体グリーンピースは、南極海域の30%以上を海洋保護区に指定する南極海洋保護区
指定キャンペーンを実施しています。しかし、南極の海域保護よりも各国の経済的利益を優先させる傾向にあるため、南極海洋保護区指定への努力は
常に挫折しています。2023年10月に開催された指定に関する議論では、中国、ロシア、ウクライナなど一部加盟国の反対により保護区
指定は頓挫し、2024年に再び開催される指定に関する議論で保護区指定が実現することを願っています。
国際社会が、もはや自分たちの利益を追求するために環境保護を怠るようなことが起こらなければと願っています。