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作成: 2024-02-14
作成: 2024-02-14 10:29
World Animal Foundation
馬に似ていることから「タツノオトシゴ」という名前が付けられたこの海洋生物は、オスが妊娠と出産をする動物として知られています。実際には、オスが直接出産をするわけではなく、メスがオスの腹にある育児嚢に卵を産み、その卵をオスのタツノオトシゴが抱えて孵化させる役割をするのです。もちろん、オスが直接卵を産むわけではありませんが、オスの育児嚢で卵が孵化する様子は、まるで出産しているように見えることもあります。外見から繁殖方法まで神秘に満ちたタツノオトシゴが、絶滅危惧種であることをご存知でしたか?
IUCN
世界には、合計46種類のタツノオトシゴが生息しています。そのうち約30種が絶滅危惧種に指定されています。代表的な絶滅危惧種のタツノオトシゴであるホワイトタツノオトシゴは、国際自然保護連合によって絶滅危惧種危急種(EN)に指定されており、ボブテイルタツノオトシゴは絶滅危惧種危急種(VU)に指定されています。年間3,700万匹以上のタツノオトシゴが姿を消しているという研究結果もあります。このように多くの種類のタツノオトシゴが絶滅危惧種になったのは、なぜでしょうか?
World Animal Foundation
タツノオトシゴは、熱帯または温帯の海に生息する動物です。通常、タツノオトシゴはサンゴ礁の近くで生息することが多いのですが、気候変動と海洋汚染によりサンゴ礁が死滅したため、タツノオトシゴも影響を受けています。また、海洋汚染による海藻類への被害も、タツノオトシゴに悪影響を与えました。タツノオトシゴの餌が海藻類であるため、海藻類が海洋汚染によって破壊されると、タツノオトシゴも危険にさらされるのは避けられません。
World Animal Foundation
さらに、タツノオトシゴは独特の見た目から人々の目に留まり、観賞用として飼育されることが多くなっています。しかし、タツノオトシゴはストレスに弱い生物であるため、一般の人が自宅で飼育するのは非常に難しいと言われています。もちろん、最初から自宅の飼育環境で生まれたタツノオトシゴは、飼育用の水槽に早く適応し、よく生き延びますが、野生から捕獲したタツノオトシゴを自宅の水槽で飼育する場合、タツノオトシゴが死亡するリスクが高くなります。
タツノオトシゴは、東洋医学において様々な病気によく効く生物として知られています。そのため、中国ではタツノオトシゴが薬として使用されているとのことです。中国だけでなく、インドネシアやフィリピンなどの他のアジア諸国でも、タツノオトシゴを薬として使用しているそうです。このような理由で、タツノオトシゴが無秩序に乱獲された結果、タツノオトシゴの個体数が減少し、最終的に絶滅危惧種になってしまったのです。
World Animal Foundation
幸いなことに、現在ではタツノオトシゴが国際取引禁止品目に指定されているため、過去に比べて乱獲されるケースは減少していると予想されています。
その他にも、絶滅の危機に瀕しているタツノオトシゴを保護するための様々な取り組みが行われています。タツノオトシゴの生息地を特別保護区に指定したり、人工授精を試みたりするなどです。しかし、生まれたばかりのタツノオトシゴの赤ちゃんは周囲の環境に非常に敏感なため、非常に低い生存率を示すとのことです。タツノオトシゴの赤ちゃんは、海流に流されたり、捕食者にさらされたりする可能性が高いため、生まれたタツノオトシゴの赤ちゃんの中で、わずか0.5%程度しか成体まで成長しないそうです。タツノオトシゴの生存率がこれほど低いことから、人工授精の取り組みはさらに必要とされています。
Save Our Seahorses ホームページキャプチャ
Save Our Seahorsesは、タツノオトシゴのために募金活動を行ったり、タツノオトシゴの生息地を保護したり、卵を抱えているオスのタツノオトシゴを捕獲する行為を規制したりするなど、様々な保護活動を行っています。タツノオトシゴの絶滅危惧種であるという事実を知らせる役割も担っているとのことです。2015年には、Netflixで「Seahorse Man」というドキュメンタリーも制作・公開されているので、興味のある方は視聴してみるのも良いでしょう。
神秘的なだけに、人間の関心を多く集め、絶滅の危機に瀕しているタツノオトシゴ。今こそ、その神秘を守り、私たちが努力する時です。
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