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作成: 2024-01-22
作成: 2024-01-22 17:11
ビーガンが一つのトレンドとして定着している昨今、3Dプリンターを利用した植物性肉が話題です。
Revo Foodsウェブページキャプチャ
オーストリアの食品企業Revo Foodsは、3Dプリンターで作った植物性サーモンを発売しました。大豆をベースにしたこの植物性サーモンは、タンパク質とオメガ3を含んでおり、砂糖やグルテンを含んでいないため、グルテンに敏感な人や糖尿病患者も安心して摂取できます。
日清食品
3Dプリンターを活用した代替肉はこれだけではありません。日本の食品企業日清食品は、植物性ウナギを使ったうな丼を発売しました。実際に日清食品の植物性うな丼を食べた人たちは、うなぎ焼き独特の味がよく再現されていると評価し、「植物性代替肉は味が美味しくない」という偏見を克服しました。
深刻化する気候変動に伴い、肉食が環境に与える影響も注目されています。家畜を飼育し、肉を加工・輸送する過程で相当量の温室効果ガスが排出されています。世界的に肉類消費も年々増加しており、肉食は気候変動を加速させる主犯と考えられています。
肉食は生物多様性の問題も引き起こします。食肉摂取のために動物を狩猟する過程で、絶滅危惧種になった動物が多くいます。先に紹介した植物性うな丼も、こうした理由から開発されたものです。日清食品は、植物性うな丼の研究目的として、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されていることを挙げています。
CBS News YouTubeチャンネル「Columbia University engineers 3D print edible cheesecake」動画キャプチャ
3Dフードプリンティングは、環境保護だけでなく、食事に制限のある人々にも役立ちます。アメリカのコロンビア大学の研究チームは、食用インクを使って3Dプリンターで作ったチーズケーキを公開しました。研究チームは、従来のチーズケーキよりも柔らかな食感の3Dプリンターチーズケーキが、嚥下障害のある患者に大きな助けになると述べています。このように、従来の食品と味は似ているものの成分が異なる3Dフードは、健康上の理由で食事に様々な制限のある患者にとって、注目される食品となると考えられます。代替肉は、環境のためにあえて肉を摂取しない人々にとっても良いものですが、健康上の理由で肉を摂取できない人々にとっても大きな助けになると考えられます。
Origins of Food YouTubeチャンネル「Is 3D Printed Food the Future?」動画キャプチャ
3Dフードプリンティング産業は、ますます拡大しています。初期には一部の食品に限られていた3Dフードプリンティングは、現在では代替肉を作り出し、3Dプリンターでは実現が難しいとされてきたシーフードまで作り出すことで、新たな未来を描いています。
ただし、欠点があるとすれば価格です。大量に飼育または捕獲した動物を利用した食品に比べて、どうしても価格が高くなってしまいます。また、代替肉の味に対する人々の認識も改善される必要があります。
3Dプリンター代替肉がさらに普及すれば、肉類による環境汚染を削減し、生物多様性を守る生態系保全も可能になると予想されます。健康にも良い影響を与える代替肉。3Dプリンター技術と共に、普及することを期待しています。
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